Introduction
ドロップレットマイクロ流体をベースにしたシステムでは、均一な大きさの油中水型ドロップレットを高効率で生成し、各ドロップレットを反応器として使用することができます。このような微小容量の反応器は、細菌の培養、ドロップレットデジタルPCR、ハイスループットスクリーニング、酵素動態の解析などに利用されます。特に、単一の細菌を個々のドロップレットに封入することで、成長の速い種と遅い種の間の増殖競争を防ぐことができます。これは膨大な量の早生菌を含む細菌混合物とは別に、稀少菌や遅生菌を培養する場合に有用です。しかしながら、細菌を液滴に封入する工程の後、細菌を含むドロップレットと細菌を含まない液滴とを分離することは技術的に困難なままであり、その結果、環境微生物の培養に成功した文献は非常に限られた数しかありません。この課題を克服するために、マイクロ流路チップ型セルソーター、On-chip® Sortを使用してドロップレット中の細菌を分離することができるソーティング方法を開発しました。ドロップレット中の細菌は、ドロップレット内に封入された蛍光共鳴エネルギー移動（FRET）型RNAプローブとの相互作用により発生する蛍光に基づいて分取できます。この方法は、Fluorescent Nucleic Acid Probe in droplets for Sorting bacteria（FNAP-sort）と名付けられています。(Ota, Y., Saito, K. et al. PLoS ONE 14(4): e0214533. Under the licence of Attribution 4.0 International (CC BY 4.0) https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/).
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